「ラモーヌ様。昼食の用意が整いました。
……ラモーヌ様?」
……ノックをしてもご返事がない。
失礼を承知で、私はロッジの扉を開ける。
ラモーヌ様は絵を描いていた。
私では理解できない――
余人に理解させる気のない抽象画。
メイド仲間から聞いたことがある。
ラモーヌ様は昔、脚が弱く、トレーニングに
参加できない冬の時間を過ごされたという。
その際に描かれていたのが、抽象画。
気炎を、
陶酔を、
焦熱を、
憂鬱を――
思うままキャンバスに叩きつけた
彼女の作品は、ラモーヌ様と同様、
えも言われぬほどに美しかったという。
では、なぜ。なぜ彼女は今になって、
再び筆をとったのだろうか――
「……あの頃には、遠く及ばない。
けれど、それもそうよね――
今は、私の愛に会いに行けるのだから」
……意味もわからず息を呑む。
何に圧倒されているのかもわからないまま、
私はただ、美しい彼女に見蕩れていた。
「雪が止んだわ。
愛を、語らいましょう」
ラモーヌ様はそれだけ呟くと、
静かに部屋を出ていく。
……そうして、あとに残されたのは、
するべき仕事を全うできなかった私と、
――白いキャンバスに彼女が描いた、
青々とした新緑だけだった。
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【メジロラモーヌ】
4月9日生まれ
身長:165cm
体重:嫉妬する程に理想的
B/W/H:87/57/90
学年:高等部
所属寮:美浦寮
CV:東山奈央
【出典】
ウマ娘 プリティーダービー
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